大腿骨頸部骨折により、病院に3ヶ月入院しました。
退院時にはなんとか杖歩行ができるようになっていましたが、自宅に帰るには、まだ不安でした。
家族も自宅で一緒に生活する自信がなく、リハビリの継続と、歩行の安定を目標にいこいの森へ入所しました。
骨折した部分のリハビリだけではなく、やりがいであった「家事」「花の水やり」が、自宅に帰ってから出来るように、自宅での生活を想定したリハビリも実施しました。その結果、骨折前と変わらない生活を送ることが出来ています。
短期集中リハビリテーション プログラム | |
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・筋力増強訓練 | 徒手や、重錘、マシン等を利用した筋トレ。 |
・関節可動域訓練 | 骨折後や、脳卒中後の関節拘縮の予防・改善。 |
・歩行訓練 | 在宅生活を意識し、杖歩行、伝い歩き。また外歩きなど。 |
・階段昇降 | 玄関にあがる小さな階段でも障害になります。 |
・基本動作訓練 | 寝返り、起き上がり、立ち上がりなど日常生活に不可欠な動作の指導。 |
・バランストレーニング | 立位姿勢や、歩行の安定性を図る。 |
入所当初はすべてのことに意欲がなく、帰宅願望が強くみられていました。
認知症短期集中リハビリテーションでは、元々の趣味であった編み物を一緒に行いました。
興味のある活動から、少しずつ元気を取り戻すことで、自ら作りたいものを提案したり、療法士とのコミュニケーションもはずみ、入所生活において楽しい時間となりました。
その後は、身体のリハビリや集団体操等も積極的に取り組み、ほとんどの身の辺りのことをご自分で行えるようになり、自宅に帰られました。
編み物活動は『もう一度、元気になりたい』と頑張るきっかけになりました。
認知症短期集中リハビリテーション プログラム | |
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・見当識訓練・刺激の入力 | カレンダー作り、新聞、屋外散歩、唱歌、回想法、会話 |
・学習課題 | 読み・書き、計算、パズル、数字探し、絵カード |
・作業活動 | 手芸、編み物、絵画、折り紙、演芸、パソコン、趣味活動 |
・運動療法・体操 | |
・日常生活動作・家事動作訓練 | |
・役割づくり |
リハビリスタッフによるリハビリだけでなく、
介護士が、リハビリスタッフと相談しながら、
個々の利用者に応じた筋トレや歩行訓練、脳トレなど様々な訓練を行います。
フロアリハビリメニュー(例) ○山 □郎様 |
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・立ち上がり訓練 | 10回 | 3セット |
・伝い歩き | 5m | 3往復 |
・脳トレ | 1頁 | 毎日 |
自宅に帰ってから必要な動作は、入所中の生活の中で繰り返されます。
例えば、トイレでのズボンの上げ下げ。
リハビリの時間に、起立訓練や立位保持訓練を行うだけでなく、実生活の中で必要な、ズボンの上げ下げの動作も、全てリハビリとして、出来る限り自分で行えば、リハビリの効果も上がります。介護スタッフは、多少時間がかかっても出来る動作を、ご自分で行って頂くように見守り・声掛けを致します。
危険なところや、出来ないことはお手伝いをし、出来る動作を少しでも増やしていただくのが生活リハビリです。
生活リハビリは、ズボンの上げ下げだけでなく、ベッドと車いすの移乗動作、更衣動作など様々です。生活の中でできる動作を少しずつ増やそうというのが生活リハビリです。